今の住宅は壁の中が怖い!!

今の住宅は壁の中が危ない

湿気を拒絶することはできません。

壁内結露といかに上手く付き合うかが大事です。

ウールブレスが解決できます。

 

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快適断熱材に落とし穴、施工誤ると結露しやすく「家 が 腐 る」

グラスウール断熱材を取り除くと結露で腐っていた
(埼玉県の築後3年の住宅の屋根裏)

土屋東洋大学教授

 

住 宅の省エネ性能を高めるグラスウールやロックウールなどの断熱材が思わぬ障害を引き起こしている。防湿や気密が不十分なままに断熱材だけを厚くしたため、 壁の中の断熱材に結露が起きやすくなり、何と家が腐り始めた例も出ている。地球環境保全の立場から国が92年度に定めた「新省エネルギー基準」を満たす家 は軒並み断熱材を厚くしているが、専門家は「防湿気密などの施工基準が十分とはいえない」と警告する。

 

「築後3年で屋根が腐った例がありました。」その家は埼玉県で建てられた。屋根裏部屋がかび臭くなったという住人の苦情から屋根を調べたところ、北側の合板部分の木が腐ってボロボロになっていた。

 

犯人は水蒸気

 

屋根を腐らせたのは腐朽菌というカビの一種だが、これを育てたのは雨水ではない。犯人は合板や部屋の中の水蒸気だった。不完全な断熱工法による典型的な壁内結露だ。

 

壁内結露の被害がどの程度広がっているか、はっきりした調査はない。外から見えない壁の中に病巣があるので解体しないと発見できないうえ、事例報告を集計する制度もないためだ。

 

しかし、土屋教授のもとには現場の大工さんたちから情報がいくつも入ってくる。壁の中の断熱材がびしょびしょになり、その周囲が腐朽菌にむしばまれている 例が目立つという。 暖かい部屋の空気が冷たい壁で冷やされ、含み切れなくなった水蒸気が露になる。 断熱材を入れると内壁の温度が上がり、こうした結露 は出にくくなる。

 

しかし、家の内外に温度差があることには変わりない。「結露する場所が壁の表面から壁の中の断熱材に移動しただけ」と、土屋教授はいう。

 

北海道に先例

 

壁内結露はかつて北海道で大きな問題になった。73年の石油ショック以降、灯油代を節約するための断熱施工が主流になり、設計者たちはグラスウールなどの断熱材を壁の厚さ百ミリいっぱいに詰め、競って断熱性能を向上させた。こうして建てられた@高性能住宅@は、早いものでは築後数年で腐り始めた。

 

高い授業料を払った結果、北海道の住宅建築会社と消費者は断熱の怖さを学んだ。「必ず気密、防湿、壁内通気をする。どれかが不十分なら、いっそ断熱をしない方が安全です」と北海道立寒地住宅都市研究所の福島明居住環境科長は語る。

 

壁内結露を防ぐには、安価なグラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材を入れる一般工法でも、防湿気密シートを内壁の裏側に張れば防げる。結露のもとになる部屋の中の水蒸気が壁の中に侵入しないようにするのだ。

 

ところが、防湿気密シートをきちんと張る工務店は、関東以西ではむしろ例外的といわれる。施工には手間がかかり、建主は費用負担を嫌う。建設省の財団法人 が認定する住宅断熱施工技術指導員資格講習会の講師を務める青山正昴ノーヴァス建築設計事務所社長は、「工事に正当な対価を払おうとしないのだか ら・・・・」と半ばあきらめ顔で語る。

 

重いコスト負担

 

ところが、最近は状況が変わりつつある。政府の新省エネ基準制定を機に、新築住宅の断熱材は厚くなった。繊維系断熱材の業界団体は「北海道なみの百ミリ断熱でなければ時代遅れになる」といった広告を打ち、断熱性能の強化を訴えている。

 

百ミリ断熱にすると壁の中の空間はすべて埋まり、結露は乾きにくくなる。土屋教授らが観察した@早すぎる腐朽@の多くはこうした高断熱住宅という。「特に尿素を使うグラスウールは吸湿性が高く、反対に放湿性が低いので危険」(ロックウール工業会)という指摘もある。

 

新省エネ基準に準拠して住宅金融公庫が定めた「木造住宅工事共通仕様書」は断熱材について「気密施工をした場合は五十ミリで十分。気密施工なしなら百ミリ が必要」としている。福島科長はこれらが信じられない。「むしろ逆。気密せずに断熱材を厚くしてはグラスウール・ロックウールは結露しやすいので危険 だ。」という。

 

建主や施工者が防湿気密を徹底すれば問題はないが、断熱材を少々厚くするのと防湿気密シートを張るのとでは、作業量もコスト負担も比較にならない。住宅金 融公庫も「どちらかを選ぶなら、断熱材を厚くする人がほとんどだろう」(水谷達郎建設サービス部次長)と、あえて危険に目をつぶろうとしているかのよう だ。

 

公庫の仕様に合致しているからといって、安心はできない。断熱だけに目を奪われていると家を腐らせ、せっかくの省エネ努力も水の泡になりかねない。

 

化学技術部 豊川博圭

 

吸放湿性能が高い羊毛断熱材では上記のような問題は起こりえないというのが結論である。
羊毛断熱材の性能はほぼ永久的といってよいのではないだろうか。

 

ジャパン  斎藤 勉

 

断熱材を考える

 

建 物の断熱はエネルギー節約のために非常に重要である。断熱材を選択する時に、その断熱特性の他に、その包含エネルギーと吸湿性を確認する必要がある。断熱 材が建物の寿命期間要求されるように機能するためには、建材の組み合わせと適正な用い方を十分考慮する必要がある。建材の熱伝導率(l)の単位はW/mKである。材料の断熱性には吸湿性と貯熱性が影響する。構造体全体の断熱性能は熱貫流率で表し、温度差が1℃の時、面積1m2の面積の構造体を1時間にどれだけの熱量が伝達されるかを表している。K-値が小さければ小さいほど、断熱性のある材料、構造体である。

 

断熱材の湿気

 

断熱材が湿気ると断熱性が落ちる、つまり熱伝導性が大きくなる。断熱材が湿気るのは、次の場合が考えられる。

 

−輸送中−保管中−施工中−施工のミスによって起こる。断熱材が湿気ることを防せがなければならない。

 

施工の基本

 

断熱材は構造体内の温度の高い側に取り付ける。冷たい外気が室内側の暖かい面と断熱材の間に入り込むと断熱材は役に立たない。2つの面の間に密に施工した断熱材は最大限にその効果を発揮する。

 

赤腐れ菌と断熱材

 

赤 腐れ菌は有機物を含む建材や構造に弊害を起こす最も厄介な原因の一つである。VTTの調査によると赤腐れ菌が、木造建築の湿害に際して確認される腐朽菌の うち最も一般的なものである。菌の生成する酸が、加水分解が始まるように菌繁殖床を酸性にする。酸と酵素は、木以外のプラスチック製コーティング材や断熱 材とも反応を起こし、腐朽菌の害がより大きくなる。腐朽菌の発生条件としての気温は、約0〜+24〜+40℃、相対湿度は95%以上である。木材の含水率 は25〜30%、栄養源としては木製品に含まれる炭素である。実態調査と実験により腐朽菌は、コンクリート、レンガ構造、グラスウール・ロックウールなどのアルカリ性の材料の影響でより強力に成育することが分かっている。赤腐れ菌のアルカリ性材料への影響は、菌の発生する酸によるものである。ベック・アンデルセン氏によると腐朽菌はグラスウール・ロックウールの繊維からカルシウムを奪い、菌糸体に吸収する。カルシウムが無くなるとグラスウール・ロックウールの 繊維が切れる。 VTTの木材研究所の基礎試験によると、ロックウールは腐朽菌の成育を増長させるが、ホウ酸処理天然繊維断熱材は、ここでテストされた赤腐れ菌の成育を抑 制した。ホウ酸処理天然繊維断熱材は、また、カビの繁殖を弱め、ホウ酸処理天然繊維断熱材中のある物質はテストしたカビの繁殖を完全に抑制した。(VTT 木材研究報告、1980年) Grindan & Kerner-Gang の1982年の研究報告によると、赤腐れ菌はテストした全ての9種類の断熱材に繁殖し分解した。グラスウール・ロックウールにおいて菌はサンプルを貫通して繁殖し、断熱材は手で揉むともろく崩れた。

 

建物の損傷における断熱材の意味

 

腐朽菌は木構造部分からグラスウール・ロックウールに広がり、菌にとって良い条件で繁殖する可能性がある。ホウ酸処理天然繊維断熱材では断熱材の含むホウ素の影響で腐朽菌は繁殖しない。腐朽菌はシュウ酸を生成しロックウールを分解する。またロックウールは一部シュウ酸に溶け易く、そのため粉末上に変化してしまう。腐 朽菌のうちフィンランドで「床菌」「地下室菌」といわれる菌が一番ロックウールを分解する。ロックウールは菌の生育条件に適当な環境を生むことによって、 腐朽菌の繁殖を助長する可能性を持っている。その上、床菌による木の腐れを増長する可能性もある。ロックウールは木材の腐れを増長するのであるから、腐朽 損傷部分の修復においてロックウールの使用を避けなければならない。もし修復しなければならない部分に、土や石などの菌の繁殖を助長する成分を得られるよ うな物質がある場合は、断熱材の選択において何を選択するかはあまり意味が無くなってくる。相対湿度が数週間に渡り97%の時に、グラスウール・ロックウール自体の湿気が低くても木材のカビがグラスウール・ロックウールに広がった。カビは腐朽菌のように断熱材を破壊しない。建築物のカビは湿害の結果として悪臭を放ち、健康を害する可能性もある。カビた断熱材を取り除くのが唯一のカビの害を除く方法である。多量の水分が乾燥後の断熱材のつぶれと硬化の原因となる。グラスウール・ロックウールに腐朽菌が繁殖することにより、グラスウール・ロックウールの含水率が増し、その断熱効果を低下させる。腐朽菌の菌糸体は適切な環境条件下で、ホウ酸処理天然繊維断熱材を施工した壁体の木部より、グラスウール・ロックウール断熱材を施した壁体木部に速く広がる。同様に、ホウ酸処理天然繊維断熱材を施工した壁体の木部より、グラスウール・ロックウールを施した壁体木材部の方が速く腐る。腐朽菌は木造部分からグラスウール・ロックウールに広がり、湿気を増加させて駄目にしてその断熱効果やの特性を変化させる。カビは健康を害する原因となる。建物を設計する段階で、グラスウール・ロックウールのカビのリスクを考慮する必要がある。

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